無垢の家具、木製品は使うほどに手に馴染み、丁寧にお手入れをしながら使っていただければますます良い風合いに経年変化していきます。
無垢材は他の素材には代え難い大きな魅力を持っています。
ひょうたん蔵で主に使用しているナラ、ウォールナット、チェリー、桜、タモ、クルミなどの広葉樹材は今ではとても貴重で高価な自然素材です。
自然から贈られた大事な資源ですので私たち作り手はお客様に長いこと気に入って使っていただける作品づくりをしていかなければならないと強く思っています。
ひょうたん蔵で製作する家具やインテリア雑貨は木の温かみを活かしたデザインの製品が多いです。
使う人に心地よく、木のぬくもり、風合いをより一層強く感じていただけるようにと願って作っていたら自然とそういう作風になってきました。
オーダー家具においてはそのお客様が本当に望んでおられることが何なのかを常に考慮してデザインをご提案しています。
家具作りのプロとしてお客様のご期待以上のご提案ができて、それを実際に形にしてお届けすることができればそれ以上の喜びはありません。
また、ひょうたん蔵では納品後もできるだけお客様との関係を保ち続けたいと考えています。
製品はもちろん自信を持ってお届けしておりますが、万が一問題が発生した場合にも迅速に対応させていただきます。
お客様が心から満足していただくためにはアフターケアがとても大切なことだと考えています。
実際に今までのお客様は何も問題が起っていなくてもたまにご連絡いただいたりして楽しくお付き合いをさせていただいているケースが多いです。
これこそ僕が思い描いていた家具工房としての理想的なスタイルです。
すべてはひょうたん蔵の製品をいつまでも大切に使っていただくための事なのです。
2000年1月1日(元旦) 神奈川県寒川町にて「家具工房ひょうたん蔵」を創業
かなりオンボロな農家の納屋(約11坪)が最初の工房でした。
平塚職業訓練校を卒業したばかりの当時はとにかく自分たちの工房を持ちたいという一心でしたので、その夢がかなえられただけで本当に満足でした。
機械は万能木工機と昇降盤、角ノミ盤、ボール盤を中古で安く買い求めました。あとは少々の電動工具のみ。
でも逆に木工機械がそれほど充実していなかったおかげで手道具での加工技術を磨くことが出来たのかもしれません。
工房名は「瓢箪から駒」という具合に「こんなボロ古屋でも意外と良いモノを作るね。」と皆さんから思ってもらえるように「ひょうたん蔵」と名付けました。
その当時、僕はまだ別の注文家具屋に勤務していたので仕事終わりの夜や休日にここへ通うのが一番の楽しみでした。
2002年7月 手狭になった寒川町の工房から、愛川町中津に工房を移転
神奈川県愛川町中津の工業団地内にある電気部品会社の建物の一角(40坪程)をその会社の社長さんのご厚意で格安で貸していただくことになりました。
しばらくして僕は勤めていた注文家具屋を独立しました。そこから下請け仕事をいただいたりしてなんとか生計を立てることができるようになりました。
ある大手自動車メーカーさんからキャンピングカーの家具製作を請け負い、明けても暮れてもそれを量産していた時期もありました。
その合間を見ては無垢材のオリジナル作品を少しづつ作りためていきました。
相模原市の手作り家具の店「アラジン」でも「ひょうたん蔵」の展示エリアを設けていただき委託販売していました。
(残念ながら現在はオフィス家具専門店に変わっています。)
ここの工房にいる間に少しずつ木工機械を充実させ、仕事も順調に軌道に乗せることができました。
多くの皆さんのお力添えで本格的に家具工房の仕事に専念することができるようになりました。
2006年5月 愛川町半原に工房を建築し移転。隣接してショールームも併設
自分たちが思い描いてきた理想の家具工房の形に近づけるために、現在のこの地に移転してきました。
「ひょうたん蔵」の作品をいつでも手にとってご覧いただけるようにショールームを併設しました。
神奈川県内といっても電車も通っていないエリアなため、車でないと気軽にお越しいただける場所ではないかもしれませんが、それでも遠方からはるばる足をお運びくださる方がだんだん増えてきてとてもうれしく思っています。
「ひょうたん蔵」のことを気に入ってくれた方のために、自分たちの手でじっくりと一つ一つ丁寧に家具や小物を作っていく。
という理想の形が少しづつ実現に近づいてきました。
2013年8月 自宅兼ショールームをセルフビルド開始
半原に工房を移転してから8年の間、自分達の生活空間は工場の2階の屋根裏部屋でした。
それにけっして不満を感じていたわけではありませんが、それよりも ショールームをもっと広々としたスペースにしたかったのと、自分達の生活空間もひょうたん蔵の家具のリアルな展示場としてお見せ出来るようにしたいと考え、隣地にショールーム兼自宅を建設することにしました。
自分たちが本当に納得のいくように自分たちで設計~建築工事をしたいと考え、せっかく木工房が隣にあるということもありハーフビルドという形を取りました。
躯体工事までは建築業者さんに任せ、それ以降は全て納得のいくようにコツコツと自分たちで仕上げていくという建築スタイルです。
2014年4月 新ショールームが完成
本業の合間の時間を使ってのんびりとセルフビルドしていたので完成するまでにかなりの時間を要してしまいました。
しかし、これによりひょうたん蔵オリジナル家具の展示がひととおり可能となりました。
従来のショールームは小物中心の展示室にすることにしました。
建築工事は普段やりなれない作業が多くていろいろ戸惑うことばかりでしたが、その経験が家具製作の仕事にもフィードバックでき、大変有意義な時間だったと今は感じています。
飯田 了司
1966年 神奈川県川崎市に生まれる
1991年 多摩美術大学 立体デザイン科 インテリアデザイン専修 卒業
1991~1993年 ディスプレイ会社に就職。文化施設などの空間デザイン、家具デザインなどを担当
1993~1997年 小田原の木工所で指物と寄木細工の技術を修行
1998年 平塚高等職業技術校 木材工芸科にて家具製作の基礎を学ぶ
1999~2003年 注文家具製作会社に就職。 家具職人として経験を積む
2000年~ 家具工房「ひょうたん蔵」を設立
飯田 周子
1971年 神奈川県横浜市に生まれる
1992年 都内短大を卒業
1992~1997年 某大手電機メーカに就職
1998年 平塚高等職業技術校 木材工芸科にて家具製作の基礎を学ぶ
2000年~ 家具工房「ひょうたん蔵」設立